【振り返り】現地説明会
2年前の2017年9月9日は土曜日。
発掘作業は休日ですが地元の皆様向けの現地説明会の開催日。
土のう袋に詰めた掘り出した土砂の洗浄・遺物選別作業が沢山残っていて、実行委の方々が発掘現場の横で既に作業を始めていました。
来週から埋め戻し作業が行われるので、墓壙の姿を見られるのは今日が最後。
朝から見物の方々がひっきりなしにおいでになり、説明に追われました。
11時過ぎに、早稲田大学教授で日本考古学協会会長の谷川先生が到着。
先ずは東屋で遺物を見てもらうと、お墓に遺物を入れる風習はこの時期にはほとんどなく、大変珍しい事例で貴重な資料との感想。墓所は極めて丁寧な造りで、大名クラスの石室を意識した造りに見える。相当の家柄の人のお墓だということが出来るとのことでした。
午後からは大分県立歴史博物館の後藤晃一さんもいらっしゃる。キリシタン遺物の考古学的研究の専門家。出土した遺物はロザリオというよりも聖牌(ペンダント)に似ているとのコメント。興味深いのはガラス板で、聖遺物入れのガラスと考えられ、ガラス板がキリシタン関係資料であれば、ガラス珠もその関連として位置づけられるとのこと。
大分県臼杵市教育委員会の神田さんもおいでになり、ガラスの形状とサイズから、本体を木で作った首から提げるような軽量構造の聖骨箱とも考えられるとおっしゃっていました。
やがて午後二時の地元の皆様向けの説明会開始となって、大石一久先生の司会でスタート。まず実行委員会事務局長の本田さんが挨拶。次に私(浅田)が挨拶。現場管理者の竹田さんが発掘プロセスを説明して、そのあと本来は見学だけだった谷川先生、後藤先生に解説いただきました。
説明は2時半過ぎに終り、その後質疑応答を含めて3時過ぎに終了。用意した100枚の説明資料は、最後には不足してしまう盛況でした。
過去2回(2014,2016)の現地説明会では近隣の皆様だけでしたが、今回はかなり遠くからの方もお見えのようでした。前日の記者発表による報道が影響したのでしょうか。
早稲田大学教授で日本考古学協会会長の谷川先生が到着され、大石一久先生の案内で出土した遺物を見て頂いた