【振り返り】第三次調査17日目

2年前の2017年9月13日(水)は復元作業初日(その1)。

いわゆる埋め戻しと石積基壇の再構築、そして墓石の再建立のスタートです。日程は15日(金)までの3日間を予定しています。
ただ、台風接近の予報とのことで、若干不安。
発掘調査一か月前の7月に、長崎県の「周知の埋蔵文化財包蔵地」に「千々石ミゲル墓所推定地」として登録されたことで、墓石や石積基壇の個々の石に至るまで元通りにしなければならないとの指示を頂いたとのことです。
登録は「埋蔵」部分、すなわち地下部分だけのはずなのに?
とはいえ、もとより忠実に学術調査の手順を順守して石積基壇や墓石の再設置を行うつもりでしたので、実務に影響はありません。
三週間かかった発掘プロセスをハイスピードで巻き戻ししているかのような一日でした。

1.開始前に、ご指導に監督いただいてきた別府大学田中教授と現場管理者竹田さんとで、最終の打合せが行われていました。
2.いつも通りの柔軟体操と朝礼です。
3.墓所の埋め戻しですので、まずは全員でご焼香いたしました。
4.作業実施に先立ち、発掘調査記録・図面等と現地との最終確認が行われていました。埋め戻してしまえば、確認することは出来なくなります。慎重に確認作業が続きました。
5.今日は大石一久先生による拓本の採拓が再び行われていました。表の拓本は採拓済ですが、今回は裏側の「千々石玄蕃允」とある面です。
6.復元作業の最初は、空洞の埋葬施設内への真砂土(まさど)埋設です。空洞の四方の壁の崩壊防止と共に、今後復元する上部石組や墓石の倒壊防止です。
7.真砂土を満たした埋葬施設の上にふた石を発掘時通りに敷設し、さらに真砂土を満たした上に礫層を再現します。
8.建立時の形式通りに土と石を交互に敷き詰めます。
9.最後に土を固めるために石灰を撒きます。
10.石積基壇の組み上げ開始。神経を使うところ。
11.一段目を組上げたら内部に礫層を構成し、土をかぶせて安定させます。
12.さらに二段目以降の石組です。ここで1日目終了です。

※復元作業と並行して発掘土砂の洗浄は続き、今日も多数の金属片などが出土しました。