第四次調査16日目(9月9日)

9月9日木曜日。発掘調査16日目。朝から晴天、空が高いです。

既報の通り、9月12日に指導委員会の先生方にご意見を伺う関係から、明日9月10日と11日は資料準備の為に現場がお休みです。発掘作業の日程はあと1週間を残していますが、ほぼ当初の計画通りに進行し、遺構下面部掘削も順調に進んでいます。

9月10日、本日は諫早市文化財保護審議会の皆さまの視察をいただきました。墓壙の発掘は佳境です。緊張を持って続けています。これまでの発掘成果は12日の第二回調査指導委員会に報告され、評価いただき、報道機関の皆さまにお示しする予定です。

本サイトをご覧の皆さまにも、その後にお知らせできると思います。今しばらくお待ちください。

① 久しぶりに晴天が続きます。遠くに見える山々の尾根に連なる雲が、秋を思わせます。

② 朝礼と体操は、安全管理と共に体調管理の大切な日課です。

③ どんどんと発掘調査のエリアは狭まってきました。4年前の第三次調査で出土した埋葬施設よりも、少し大きい印象ですが、深さもあるので、一人での作業しかできません。うつ伏せの作業なので、胸の所にクッションタイルとスポンジをあて、晴天ながら墓壙内部は薄暗いので、LEDライトとヘッドライトを付けて作業です。

④ 作業の方が使っているのは竹串。焼き鳥の串です。その前までは竹べらを使っていたのですが、すでにそれでは大きすぎるし、微妙な指先の感覚が大切になってきたので、竹串で少しづつ、掘るというよりも土をほぐしながらの作業です。なにしろ400年近く前から誰も触れていない世界を今触っているのですから、緊張は如何ばかりかと思います。

⑤ 今日は諫早市教育委員会の文化財保護審議会の先生方による視察訪問です。4年前の時もお出でいただきましたが、今回の方がさらに広範囲かつ総合的な発掘調査なので、ご説明も図面や写真を拝見いただきながら、丁寧に行わせていただいたようです。

⑥ これは墓壙とは別に、墓所建立時の墓石の当初の位置と想定される掘削の跡が見つかったので、見ていただいている所です。今回の発掘調査の目的の一つが、墓所建立当時の姿を確認することでしたので、大切なところです。

⑦ 今日もお弁当を手配いただいて、山川内コミュニティーセンターの和室をお借りしての食事です。もちろん、お弁当をお持ちいただいている方もいらっしゃるので全員ではありませんが、ここでは16名の方で会食しました。ただ、コロナ禍なので1メートル以上の距離を空けて、会話は最小限、お茶も4年前はコップやお茶碗でしたが、今回は一人づつのペットボトル。前回までの炊き出しによる昼食が懐かしいですが、そんなことはいっていられません。

⑧ 毎日、雨水の流入予防と、時には出るという猪の侵入を防ぐため、ブルーシートで密閉。こうやって見ていると、ブルーシートと土のう袋は万能ですね。ちなみに、ブルーシートの先にある石は、確かお手伝いに来ていただいている田中さんが積み直していただいたように記憶しています。きれいな積み方です。

⑨ 赤とんぼの大軍です。写真はその一部で、実施は100匹以上の群れが、墓所の上から近くの田んぼの上で飛び交っていました。先週には見られなかった風景で、遠くの雲も秋を思わせる筋雲。秋の訪れを思わせるとともに、過去三回の調査の時期は同一ですので、なにか発掘調査の終焉を告げに来ていただいているようにも思えます。