【振り返り】第三次調査12日目

2年前、2017年9月4日は月曜日でした。2日間のお休み明けです。

先週末に撤去した石蓋の下に広がる空間と金具らしき遺物が姿を現わし、皆さん新たな気持ちで集まりました。
調査区域が狭いので、同時に2人が限度。実行委の方々やボランティアの方々も、見学にまわっていただきました。


まずは流入した土砂の撤去です。足場が取れないため、墓壙の外枠に木枠を格子状に組み上げ、腹ばいで深さ50センチほどの底に手を伸ばして行う、大変きつい作業です。
昼前に流入土砂の撤去が終わり、記録写真撮影と測量を行った後に、午後から遂に埋葬施設内部の発掘に取り掛かりました。内部を4つに区分し、バランスよく掘り下げていきます。掘るといっても、実際は表面を数ミリほど削ったら次の区画に移るという我慢比べのような作業です。
午後3時ごろ、南西区画の発掘中に、白い骨状の小さな塊がころがり出ました。周辺を慎重に掘ると、何個か固まって地中に見えます。歯のようです。遂にご遺骨が出てきた。固唾をのんで見守っていた実行委の方々に歓声が沸き、笑顔がこぼれました。隣のテントで墓石の拓本を採っていた大石先生も、なにごとかと発掘現場のテントに飛び込んできました。
発掘調査は続き、四時過ぎには北西の区画から、直径4ミリ、縦5ミリほどの円筒形で中空の遺物が1個出土しました。ビーズのようです。さてはキリスト教の遺物か?。再び現場が色めき立ちます。


報道機関の方々から説明と写真撮影の時間を求められ、本日の作業はここで終了して、報道機関向けの記者会見を急遽行いました。
※ご遺骨は女性のものという鑑定が後日出ました。